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より優れたガバナンスのための取締役会とは-3【議題と出席者】

前回は【データと情報の違い】についてお話しました。

では、より良い取締役会を開催するために押さえておくべき、もっともシンプルなものは、何でしょう?

今回は、【議題と出席者】についてお話します。

会議の構成

より効果的な会議を構成するための基本として、2つの重要な要素があります。

- よく考えられた議題(アジェンダ)

- 適切な出席者

よく考えられた議題(アジェンダ)

以下は、ハーバード・ビジネス・レビューからの抜粋ですが、その中に議題を検討ために重要とされる記載が6つあります。

1. 会議の目的・目標を明確にして公表する

これは、ルーチン業務のような形で会議を行うことを避けることを意図しています。

なぜ会議が開催されるのか、また会議が終了したときにはどのような成果が見えている必要があるか、に注目します。

2. 出席者からの意見を求める

会議開催の1週間前には、出席者全員に議題案を送付することを習慣づけましょう。

可能であれば、会議開催の3日前までに、その議題案に対する、フィードバック・変更・追加を依頼します。
このような依頼をすることで、出席者が「自分はその会議における役割や情報を与えられている」と感じさせる効果があります。

3. 全体に影響を与える議題を選択する

取締役会は、「会社全体に影響を与える問題について議論し、それらを解決するために意見を必要とする問題について話し合い、意思決定を下すための時間である」という認識を持ちましょう。

4. 話し合いの目的が1)情報を共有することなのか 2)決定のための意見を求めることなのか 3)意思決定をすることなのか、を明確にする

単に話を聞くだけなのか、意見を提供するだけなのか、それとも意思決定プロセスの一部になるのかがわからない場合、会議の出席者が効果的に参加することは難しい、ということを理解しましょう。

たとえば自分は意思決定に関与していると思っていても、他の出席者は意見を求めているだけ、というような認識の齟齬を生むことは避けましょう

5. 各議題に現実的な時間配分をする

議長は通常、それぞれの議題に必要な時間を少なく見積もる傾向があります。

これを避けるために、会議の各議題の流れ(議題の紹介、質問への回答、異なる視点の解決、潜在的な解決策の提示、議論と意思決定、など)や、意思決定が下すために必要な時間も含めて時間配分を行いましょう。

6. 各議題に対応するための「プロセス」を提案する

会議の場での議論を終了させたり、意思決定するために、どのようなステップを踏むかを特定します。
これらの一連のステップを「プロセス」といいます。

この「プロセス」に対して、会議の出席者が合意することで、会議の効果を大幅に向上させることができますが、会議の場で突然のこの「プロセス」を導入することは、現実的に不可能です。

そのため、この「プロセス」は、アジェンダに記載しておきます。
つまり、議題ごとに「プロセス」を説明し、同意を求めるのです。

書き方の例としては、以下の通りです。

例)議題Aにおいての「プロセス」の提案
 ・ 議題に関連するすべての情報を洗い出す(10分)
 ・この情報をもとにした仮説を特定・合意する(10分)
 ・利害関係を特定し、合意する(10分)
 ・発生しうる利害を考慮し、関連情報や仮説と整合性のある解決策を導く(15分)

適切な出席者

1. 適切な出席者の招待

適切な出席者が会議に出席していること自体、効果的な意思決定に多大な貢献を果たします。

なぜならこのような出席者は、有効で情報に基づいた意見を提供することができ、そして意思決定事項を実行する立場としての役割を持っているからです。

2. 出席者は、会議での自分の役割を理解していること

取締会の出席者には、彼らが必要な情報提供を受けているかどうかを確認し、その取締役会において、議論やフィードバックが必要かどうか、決定が必要かどうか、をあらかじめ伝えておきましょう。

まとめ

会議を有益な場とするためにも、出席者は会議に積極的に貢献し、十分な情報に基づいた、建設的な発言・決定を行いましょう。

さて、会議の進行に欠かせない議長
議長がいかに会議体をマネジメントするかにより、会議の成功は大きく左右されます。

次回は、「議長が配慮すべきポイント」について解説します。

より優れたガバナンスのための取締役会とは-4【会議体のマネジメント】に続く