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香港2021-22年度予算概説

香港政府財務長官のポール・チャン(陳茂波)氏は、2021年2月24日「経済の安定と国民負担の軽減」に重点を置いた2021/22年度 香港特別行政区予算を発表しました。
この発表は、経済の低迷と新型コロナウィルス感染拡大の影響によって直面している困難と圧力を緩和することを目的としています。

今回は、Tricor香港が提供する「予算解説:2021/22年度」の主な内容と概説を紹介します。

企業対象

利益税

2020/21年度の利益税は、上限10.000香港ドルを条件に、1回限り100%減税。

非国内物件

2021/22年四半期の非国内不動産の免税。

最初の2四半期では1四半期あたり5,000香港ドルを上限として、残りの2四半期では1四半期あたり2,000香港ドルを上限として免税。

金融サービス

  • 政府は、外国投資ファンドがオープンエンド型ファンド企業(OFC)またはリミテッドパートナーシップファンド(LPC)として登録するために、香港に再居住することを認める立法案を提出、OFCが香港に設立または再居住するための補助金を提供する予定。
  • ファミリーオフィス事業に関連した税制の見直し。
  • 不動産投資信託(REIT)が香港に上場するための補助金を提供。ただし、REITあたり800万香港ドルを上限とする。
  • 今後5年以内に総額1,755香港ドルのグリーン債券を発行。

デジタルエコノミー

オンライン活動の組織化とデジタル化の推進力を強化するために、3億7500万香港ドルを香港貿易発展局(HKTDC)に割り当て。

事業登録料

事業登録料の免除。

中小企業向け融資保証制度

中小企業を対象とした、100%政府保証の譲歩的低金利融資の提供。

最大融資額は600万香港ドル、返済期間は8年まで。

取引関係

政府は、企業がより多様な市場を開拓することを支援するために、ブランディング、市場アップグレード、国内販売のための専用基金に50億香港ドルを投入。

保険・国際リスク管理センター

1)海上保険や特殊保険を含む適格保険事業者に対して、半率の利益税優遇措置を提供し、2)さまざまなスキームを通じて、香港の保険関連証券への加入を促進するための法的措置。

グレーターベイエリア(GBA:粤港澳大湾区)

広東・香港・マカオ グレーターベイエリア開発局が、香港の企業や若者が「GBA開発によって生じる機会の把握」を支援するために設立。

個人対象

給与所得税

2020/21年度の給与所得税と個人査定を1回限り、1万香港ドルを上限に100%減額。

電子消費財バウチャー

香港永住者および18歳以上の新規入国者に総額5,000香港ドルを贈呈。

住まい

  • 各家庭の電気料金口座に1,000香港ドルの補助金を給付。
  • 2021/22年については、最初の2四半期に1四半期あたり1,500香港ドル、残りの2四半期に1四半期あたり1,000香港ドルを上限として、料金を免除。

社会福祉

社会保険の受給資格者に、標準率の総合社会扶助費、老齢手当、老齢生活手当、障害者手当のいずれかの支給額の2分の1の月に相当する額を支給する。

学生

香港中学文憑試験の受験者に対する、受験料の支払い。

失業のための100%融資保証

最大80,000香港ドルを年1%の固定金利で融資。返済期間は最長5年。

概説

新型コロナウィルス感染拡大による、世界規模のパンデミック、貿易の緊張、社会不安、そして香港での予防接種プログラムのスタートの中で、政府は経済の一部を修復しながらも、経済を回復させるための栄養補給という、避けては通れない施策を実施していかなければならず、事業を支援し、生活を守り、雇用を創出することが急務となっています。

このような状況を踏まえ、香港の豊富な資金準備により、財務長官は観光、金融サービス、イノベーションとテクノロジー、航空貨物部門、文化とクリエイティブ産業、建設産業に至るまで、香港経済のあらゆる部門に対応しています。

これらの取り組みを、迅速かつ効率的に実施することが重要です。

また、環境を最重要課題の1つとして、緑化と持続可能な金融事業の促進による、住みやすい都市を構築が挙げられます。この実現のために、交通渋滞の緩和、再生可能エネルギー利用の奨励など、より多くのグリーン債券を発行するための措置を発表しました。

さらに、提案されている「ボンド・コネクト・スキーム」は、グレーターベイエリアのビジョンの発展を大きく後押しするものとなると予想されます。予算案には、香港の金融サービス部門をさらに後押しするために設計された、さまざまな重要施策が盛り込まれています。

重要な例としては、香港でのプライベート・エクイティ・ファンドの設立をさらに促進することを目的とした、繰越利息に対する税制優遇措置があります。

ファミリーオフィスに関して政府は、香港に設立するファミリーオフィスをより多く誘致するために税制を見直します。さらに、政府は、OFCやLPC登録のために、外国投資ファンドが香港に再居住することを認める立法案を提出する予定です。

さらに、OECDがグローバル最低税率やデジタル税の導入を含む、税源浸食と利益移転(BEPS 2.0)に対処するための新たな提案を作成している中、BEPS 2.0に関する諮問委員会は、この提案が香港に与える影響を評価する作業を開始しました。

OECD提案の最終決定後、諮問委員会は財務長官に提出する報告書の中で、具体的な対応策に関する提言を行う予定です。

香港が国際的なコンセンサスに基づいてBEPS2.0提案を積極的に実施することが予想され、この影響を受ける企業にはコンプライアンス要件が追加されることが予想されます。

2021年度に関して、香港政府は2576億香港ドルの赤字を見積もっています。

このような大幅な赤字に直面しているため、政府は株式譲渡において、買い手と売り手がそれぞれ支払う各取引の対価または価値に対する印紙税の税率を、現在の0.1%から0.13%に引き上げます。

財務長官は、利益と給与の税率を改定し、新しい税金を導入するのに適切な時期ではないと述べているにもかかわらず、政府は中長期的には景気回復と成長を維持するために、課税基盤の拡大を検討する必要に迫られています。

※Note
本文は、Tricor Groupの英語版概説をもとにした翻訳です。翻訳は可能な限りの正確性を維持するように配慮しておりますが、英語版との解釈の相違がある場合は、内容は英語版に依拠します。また、本文は専門家による助言に代替するものではありません。