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より優れたガバナンスのための取締役会とは-5【ニューノーマル時代の取締役会 - その1】

前回は【会議体のマネジメント】についてお話しました。

では、より良い取締役会を開催するために押さえておくべき、もっともシンプルなものは、何でしょう?

「より優れたガバナンスのための取締役会とは」の記事も後半に差し掛かりました。
後半では、ニューノーマル時代に求められる取締役会の開催について、解説していきます。
今回は、【ニューノーマル時代の取締役会のポイント】をチェックリストとしてまとめました。

ニューノーマル時代の取締役会におけるチェックリスト
COVID-19によって、世界のあらゆる分野が変化し、新たな時代に突入しました。
新たな時代に適応するために私たちは、ビジネスのあり方を緊急に見直さざるを得ない状況になっています。

今回は、「ニューノーマル時代の取締役会のあり方」の視点から、次の2つを考察してみます。

COVID-19は取締役会と価値を提供する能力にどのような影響を与えたのか?
取締役会は、ニューノーマル時代の環境でどのように機能すべきか?

これらの解を導くにあたって検討すべきポイントを、「取締役会の開催前」「取締役会の開催中」「取締役会の開催後」の3つのパートに分けてご紹介します。

取締役会以外の一般的な会議においても有効なチェックリストですので、ぜひご一読ください。

Part1:取締役会の開催前
取締役会の構成を見直す
取締役会の各メンバーのスキルセットや経験を分析します。
取締役会が今後必要とするスキルを明確に把握していますか?

会議の明確な目的を設定する
会議の目的をすべての取締役会のメンバーに伝えましょう。

十分に構成された議題を作成し、事前に回覧する
きちんと構成された議題は、会議の望ましい結果を得るのに役立ちます。
少なくとも1週間前までに議題を回覧し、取締役会メンバーが検討したりコメントをしたりできるような十分な時間を確保しましょう。

議題をどのように回覧するのが最善かを決定する
紙のコピー、電子メール、またはボードポータル(取締役会専用のWebポータル)を利用していますか?
それらの方法は、セキュリティ面で安全ですか?

議題の各項目について、「希望する結果」を明記する
「希望する結果」、つまり、情報が欲しいのか、議論が欲しいのか、決断が欲しいのか、を明記しましょう。

取締役会の各メンバーへの期待値を設定する
特定の議題について、彼らの中の誰が議題をリードすることに期待していますか?
彼らが最新情報を提供すべき側なのでしょうか?それとも彼らが情報を受け取る側なのでしょうか?

会議の1週間前にボードパック(取締役会に配布される書類一式)を準備する
取締役会のメンバーが十分な情報を得た上で意思決定ができるように、文書を読む時間を十分に確保しましょう。

配布資料の「質」を見直す
資料に記載の情報は読みやすく、明確で、正確で、最新のものですか?
取締役会の結果を最高のものとするためには、質の高いデータが不可欠です。

ボードパックの配布方法を決める
紙のコピー、email、またはボードポータル・・これら方法は安全ですか?

すべての理事会メンバーがすべての情報を受け取ったことを確認する
この「確認」によって、出席者全員の取締役会に対する貢献度を向上させることができます。

対面・オンライン参加への柔軟な対応
直前の変更にも迅速に対応できるような、「仕組み」を検討しましょう。
対面での参加を希望する人もいるかもしれませんが、昨今の状況では、オンラインでの参加を希望する人も多いでしょう。

技術テストは必須
オンラインミーティングなどのツールの利用する場合は、必ず事前にそのツールに対するテストを実施し、各メンバーが問題なくオンライン環境に接続でき、かつツールの利用が可能であることを確認しましょう。

Part2:取締役会の開催中
会議を運営する上での自信を測る
対面参加と、さまざまな場所からオンライン参加のメンバーが混在している場合、取締役会の開催の難易度が上がります。
対面参加しているメンバーが、会議を支配してしまうことのないよう、参加者全員から発言を得られるよう、また情報を与えることができるような調整力が求められます。

誰が議事録を取るかを決める
取締役会の議事録を、どのように回覧してフィードバックを得るかを決めましょう。
紙のコピー、email、またはボードポータル、それぞれの議事録の回覧方法は安全ですか?
各自に割り当てられたすべてのアクションアイテムと期限は、議事録に記載され、取締役会メンバー全員に周知されてなければなりません。

効果的な会議の運営
取締役会のメンバーは、次のことを確信して会議を終了しなければなりません。
 a) 目的を達成した
 b) すべての議題が十分な時間でカバーされていた
c) 全員が意見を述べた
d) 一連のアクションアイテムと次のステップが達成され、メンバーがアクションアイテムの期限を承認した

ビデオで対面式の要素を追加する
取締役会メンバーの参加意欲を維持するために、オンラインからの出席者にはカメラをオンにした状態で会議の出席を求めることをお勧めします。
カメラをオンにして出席してもらうことで、対面での対話の信憑性を再現し、メンバー同士でのコミュニケーションを強化することに役立つからです。

時間厳守
取締役会の議題のすべてが重要なものです。
ひとつの議題に時間がかかりすぎている場合は、特定のメンバーの間で別途議論を行うことを提案し、次の議題に進みましょう。

Part3:取締役会の開催後
できるだけ早く議事録を回覧する
できるだけ早く議事録を回覧することは、取締役会のメンバーに割り当てられたアクションアイテムの期日までの完了を、後押しします。

安全なシステムを使用して議事録を共有
安全で暗号化されたシステムを利用して、取締役会の各メンバーに議事録を送付し、最終的に署名されていることを確認しましょう。

取締役会メンバーからのフィードバックを求める
取締役会のメンバーに、各自の視点から会議がどのように進んだか、改善すべき点などについて意見を求めましょう。
また、開催頻度が高すぎたり、十分でなかったりしていませんか?
会議の時間が、長すぎたり、短すぎたりしていないか。

アクションアイテムの進捗確認
合意されたアクションアイテムは、次回の取締役会までに進捗状況を確認する必要があります。

次回会議の議題へのアクションアイテムの組み入れ
前回の会議のすべてのアクションアイテムの進捗状況の確認は、次回の会議の議題の中に含めましょう。

さらに、以下の点を考慮して、取締役会を評価しましょう。

頻度と形式
取締役会の開催頻度が低い場合は、頻度を上げるために、オンラインミーティングも利用することが有効となるかも知れません。

期間
取締役会の時間が長すぎる場合は、対面よりもオンラインミーティングの頻度を上げることで、移動などの時間削減に貢献することも検討しましょう。
オンラインミーティングの形式で、取締役会の頻度を上げ、代わりに短時間での会議を構成することで、より集中した議論が実現できます。

ニューノーマル時代で求められる、迅速な意思決定に適応するために、取締役会もオンラインでの開催が取り入れが始まっています。
次回は「取締役会で利用されるコミュニケーションの方法(紙、email、ボードポータルなど)」について解説します。

より優れたガバナンスのための取締役会とは-6【ニューノーマル時代の取締役会 - その2】に続く