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より優れたガバナンスのための取締役会とは-6【ニューノーマル時代の取締役会 - その2】

前回はニューノーマル時代の取締役会として、【取締役会は、ニューノーマル時代の環境でどのように機能すべきか】についてお話しました。

では、テレワークの促進により、オンラインミーティングを筆頭に、新たなサービスが続々と登場する中、取締役会もオンラインでの開催も取り入れられ始めてきています。
オンラインでの取締役会開催は、効率的ではあるものの、コンプライアンス機密事項を取り扱うという側面で、さらに注意すべきこともあります。

あなたの会社の取締役会がオンラインで実施されていたとしても、オフラインで実施されていたとしても、テクノロジーの進化はとどまることなく、テクノロジーの進化に従ってコンプライアンスも強化されていきます。

今回は、ニューノーマル時代に取締役会を設営するにあたって、グローバルで注目を集めている、ボードポータル(取締役会専用のWebポータル)について、触れます。

取締役会のコミュニケーション
取締役会は、通常の会議とは異なり、コミュニケーションの方法や取締役会メンバーに対するサポートの仕方が異なる場合があります。
しかし、会議の開催資料の配布議事録フォローアップの管理などについては、類似している傾向があります。

一般的には次のような要素が含まれます。

  • 紙の文書
  • emailの添付ファイル
  • オンラインストレージ
  • 市販のコミュニケーションツール
  • ボードポータル(取締役会専用のWebポータル)

紙の文書
取締役の多くは、印刷された資料を好みますが、印刷されたボードパック(取締役会は、環境への配慮という点で、最適な選択肢ではありません。
また、紙の場合、直前の内容の変更や更新に対応することは難しく、記録管理や監査目的のための「信頼できる唯一の情報源」を表すものではありません。

emailの添付ファイル
ボードパックをemailの添付ファイルで送信する場合、配信自体には即時性があり、資料に更新がある場合、新しい添付ファイルを送信することで対応できます。
ただ、こうした方法は、「更新」と「バージョン管理」に問題があります。
また、機密文書をemailで配信することに対するセキュリティリスクは無視できません。

オンラインストレージ
最近では。オンライン上のストレージにボードパックを保存しているケースも見られます。
ボードパックや報告書・議事録などの文書はオンライン上に保存され、必要に応じて新しいバージョンに置き換えられます。
この点では確かに便利ですが、取締役会に求められるセキュリティコンプライアンス監査という点で求められる要件から見ると理想的とはいえません
なぜなら、バージョン管理適切な監査ログ取れないことから、混乱や遅延が生じる可能性があるためです。

また、アーカイブ機能必要最低限でしか提供されていないことから、オンラインストレージは必ずしも、取締役会という会議を安全かつスムーズに実行するためのコストパフォーマンスに見合ったソリューションとは言い切れません。

ボードポータル
ボードポータルは、取締役会のプロセスを強化することを目的として提供されるものです。
そのため、取締役会に求められる独自の規制要件を満たすように設計されており、取締役会メンバーの利便性も考えられています。
このような点から見ると、ボードポータルは、他のソリューションに比べて、優れていると言えるでしょう。


総括すると、取締役会は、以下の基準を満たすソリューションを検討する必要があります。

  • 使いやすいこと
  • 取締役会独自のニーズ(規制要件の変更、新しいテクノロジー、会社の規模、取締役会の構成)など、さまざまな要件に柔軟に対応できること
  • 取締役会のために求められる業務とコミュニケーションが、安全性が常に保証されていること


テクノロジーの活用
それでは、ボードポータルを利用することを検討する場合、具体的には、どのようなことに役立つのでしょうか?

取締役会の手配と設定
出席者リストの管理、会議の日時設定、会議室の予約ができますが、さらに取締役会への招待状を送信し、招待者がその招待を受け入れてカレンダーに登録したことを確認することができます。
会議の開始時間や場所など、会議の詳細を変更する際の取締役会メンバーへの通知ももちろん可能です。
取締役会の手配に関する業務が一元管理できます。

議題の管理
初期の議題ドラフトを回覧し、各自にコメントを求めることができるなど、出席者に対する議題作成の支援機能がります。
たとえば、議題のドラフトをMicrosoft Wordを添付したemailで配布できます。
配布したドラフトにコメントとフィードバックがされた場合、改訂された議題が発行されます。
このプロセスを一元管理するための機能がないと、議題を作成するだけで、とても面倒で時間がかかってしまいます。
ボードのポータルを利用することにより、すべての取締役会出席者が他の参加者のコメントを閲覧することができ、取締役会の管理者にとっても、プロセスを最適化することができます。
取締役会の議長は、議題に関する最終決定権を持っていますが、各出席者は議題決定までのプロセスに貢献したと感じることができます。

正確・タイムリーかつ安全な情報の配布と管理
優れた会議は、正確でタイムリーかつ安全な情報に基づいています。
取締役会は、十分な情報に基づいた意思決定を行うための、正しい情報を持っていなければなりません。
テクノロジーが、これらを実現可能にする手段である一方、セキュリティは常にテクノロジーの懸念事項として挙がってきます。
すべての出席者が必要なときに最新の情報にアクセスできるように、安全性が高く、情報を管理する一元化されたのテクノロジーソリューションを用意することが重要です。
多くの場合、重要な文書の変更ほど、遅れて行われるため、電子メールは非効率的なソリューションとなります。
取締役会の管理者は、出席者全員が同じ情報にアクセスできるようにしなければなりません。

議論を可能にする
議論は会議中だけでなく、会議の前後にも行われます。
このことは、十分な情報に基づいたすべての参加者同士の積極的な関与が、より良い決定と結果をもたらすため、前向きな結果と見なすことができます。
文書や資料にメモを追加し、すべての人にフィードバックが表示されるような機能があれば、とても便利です。安全性の高い環境で、取締役会のメンバー同士がコミュニケーションをとることができることは、より良いコラボレーションを促進し、取締役会からより良い結果を得ることにも役立ちます。

議事録および、その他の資料・文書管理
多くの場合、会議の議事録を文書化し、安全な環境で保管しておくことが法的に求められています。
しかし、法的要求があるかどうかにかかわらず、取締役会の記録を作成して、重要な議論や合意されたアクションを、期日と担当者とともに明記して残しておくことは、とても重要です。
また、取締役会の記録には、重要な議論や合意された行動を、期日や担当者とともに記録することが重要です。
ボードポータルは、議事録の配布や、配布を記録しておくことにも適しています。
コメントやフィードバックを得るために、議事録のドラフトを、最終決定される前に出席者全員に配布することも可能です。
このようなことは、非常に安全な環境で行われる必要があります。
さらに、監査のために、誰が議事録を受け取り、同意し、コメントしたかが明確になるように管理をしておく必要もあります。
一元化されたソリューションは、より効率的な取締役会を可能にし、より良いガバナンスを実現することを支援します。

まとめ
取締役会を効果的に開催するため、以下のようなテクノロジーが重要な役割を果たします。

  • 取締役会の準備と運営に必要な管理プロセスの簡素化
  • 議題作成プロセスの管理
  • 取締役メンバー全員の間での定期的かつ建設的な議論の促進
  • 取締役会メンバー全員が、最新かつ正確な情報に基づいた作業の実現
  • 署名のための議事録やその他文書のドラフトの維持・回覧
  • すべての会議情報/文書の保護

ニューノーマル時代の取締役会では、迅速で公正な意思決定が、ますます求められます。
そのためには、会議体の設営方法の見直しとともに、自社の求める取締役会の姿に、どのような形でテクノロジーが貢献するのかについても、検討をしていく必要があるのではないでしょうか。
次回は「ボードポータル選定の基準」について解説します。

より優れたガバナンスのための取締役会とは-6【ニューノーマル時代の取締役会 - その3】に続く