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アフターコロナ時代の中国ビジネスの動向-7

4. 中国市場におけるビジネス機会と課題
4-1. 中国の市場におけるビジネス機会と課題の概要
新型コロナウィルスの感染拡大は、2020年の世界経済を窒息させました。
国際通貨基金(IMF)は6月、世界のGDP成長率が-4.9%になると予測しましたが、中国は、プラス成長を達成すると予測される唯一の主要経済国として名を連ねました。

6月以降、主要国では景気の停滞が徐々に緩和され、世界経済は緩やかな回復を示しています。
最新のIMFレポートでは、世界のGDP成長率をマイナス4.4%に引き上げました。

中国経済が「V字回復」を主導していることを踏まえ、2020年10月13日にIMFが発表した世界経済の見通しによると、中国の予想成長率は1.9%に急上昇しました。

中国は、国際投資企業にとって「安全な港」となっています。
そのPMIは2020年3月以降50%を超えており、経済の全面的な回復を示しています。

世界経済の回復が鈍化する中、安全な避難所を求める投資家が中国に多額の国際投資が注がれています。

国連の「貿易開発レポート2020」によると、2020年の世界の海外直接投資は40%減となる可能性がありますが、中国の外資利用額は1~8月の6,197億8,000万人民元(銀行・証券・保険を除く)でした。さらに前年比2.6%のプラス成長率となり、他国を大きく上回っています。

人民元の地位は、大きく改善されました。
2019年、国家外貨管理局は、適格外国機関投資家(QFII)と人民元適格外国機関投資家(RQFII)の投資額制限を解除し、金融市場をさらに開放しました。

新型コロナウィルス感染拡大に直面し、米国や日本などが抜本的な量的緩和政策を採用したことで、中国と海外との貿易が拡大し、人民元の魅力が高まりました。

国際貿易市場における中国のシェアは、準備通貨としての人民元とのバランスが著しく崩れているため、中国の経済全体の発展と人民元自由化の改善により、人民元の地位は大幅に改善されることになるでしょう。

中国は世界最大の中間所得者層を持ち、巨大な購買消費力を持っています。
国家統計局によると、14億の人口のうち、中間所得者層は4億人を超えており、この数字は今後15年で倍増すると予想されています。

しかしながら、モノやサービスの格差は大きく、消費者の不安や低品質な商品などによる、中国の中間所得層の消費ポテンシャルは、まだ十分に発揮されておらず、まだまだ発展の余地が大きいのが実情です。

双循環戦略は産業構造の高度化を促進し、継続的な自由化政策は外国人投資家が参加するための公正な機会を提供します。双循環戦略の目標の1つは、消費レベルを上げることです。

技術・経営面での外資の参入を認めるメリットは、中国の産業構造の高度化の過程で不可欠です。
国務院が発表した「対外貿易・外国投資のさらなる安定化に関する意見」では、「外国投資によるハイテク産業への投資拡大を奨励する」、「主要な外国投資プロジェクトに対する支援サービスを強化する」など、国内の産業インフラ強化に向け、外国からの投資に舵を取ることが提案されています。

中国市場への参入には、依然として課題があります。

1つ目は、新型コロナウィルス感染拡大後の国際市場全体の不確実性の高まりにより、中国への投資リスクが高まっていることです。

2つ目は、中国の消費者の独特な消費習慣と、国内の金融機関からの市場圧力が徐々に強くなってきているため、外資系金融機関は現地化に関して厳しい課題に直面しています。

そして3つ目は、中国の労働市場の賃金水準は上昇しており、外資系機関はコスト面での圧力にさらされていることです。

次回から「プライベート・エクイティ・ファンド」、「医療・ヘルスケア」、「消費財」の各業界の動きを解説します。

アフターコロナ時代の中国ビジネスの動向-8」に続く