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アフターコロナ時代の中国ビジネスの動向-9【医療・ヘルスケア・消費財業界】

4-3. 医療・ヘルスケア業界
中国の医療・ヘルスケア産業は、有利な政策高齢化社会の到来治療に対する需要の高まりにより、急速な発展を遂げてきました。開発政策は継続的に最適化され、投資の敷居は低くなってきています。
習近平国家主席は2018年のCIIE開会式での演説で、現在の国内市場、特に教育や医療などの分野では、外国人投資家の関心が高く外国株の規制が緩和されると発言しました。
このことは、外資系医療サービスの開放を目指す中国の医療市場にとって、前向きな兆候ともいえます。

2019年、中国は株式投資市場として世界第2位となりました。
同年の株式投資の業種分布を見ると、バイオテクノロジー医療・ヘルスケア投資案件数が3位で、合計1,131件、投資額は1,030億元でした。

中国の製薬産業の技術水準を効果的に高め、国際化を加速させるため、2020年版の外国投資ネガティブリストでは、医療分野に対する規制がほとんどありません
つまり、中国の製薬業界への外国人投資が促進されることを意味しています。

新型コロナウィルス感染拡大による医療・ヘルスケア製品やサービスの需要は新たな高みに達しています。
消費者は、健康のため、ためらわずに高い保険料を支払います。
そのため、業界の需要は記録的な成長を遂げており、医療・ヘルスケア業界への投資は急増すると予測されています。

慢性疾患管理などの分野でも、成長の余地は十分にあります。
国家統計局のデータによると、2019年末までに65歳以上の人の割合は12.6%に達しており、慢性疾患の患者数は3億人を超え、そのうち疾患による死亡者数は全体の8割を占めています。
医療製品やサービスへの需要が高まる中、医療市場には大きな成長の可能性があります。

また、医療業界での人工知能(AI)の応用は、新たなビジネスチャンスをもたらすことでしょう。
近年、中国はAIの導入精力的に推進していることから、このような技術への投資と国民の意識は、急速に高まっていますが、ほとんどの企業が資金調達の初期段階にあります。
2020年6月現在、AI関連の医療プロジェクト349件のうち、エンジェルラウンドが103件、ラウンドAが126件、ラウンドBとラウンドCが50件、ラウンドE以降が2件となっています。

AIの統合により、新たな投資市場が誕生し、大きな成長が見込まれており、中国政府医療・ヘルスケア産業における外国株式の規制を徐々に緩和し、外資系企業の参入障壁を低くしています。
このため消費者は、人口の高齢化や慢性疾患を持つ人々向けに、より良い製品やサービスを受けることができることに大きな期待を寄せています。

ポストコロナ時代の中国の医療・ヘルスケア産業は、明るい見通しで拡大し続け、より多くの投資家を惹きつけているのです。

4-4. 消費財業界
市場規模の大きさ,、需要の多様化所得の増加生活水準の上昇などにより、中国の消費者需要は成長を続けています。商務部は2020年8月に、今年初めてプラス成長したことを発表しました。
商品販売のスピードは引き続き上昇しており、特にサービス消費オンライン消費急成長しています。

2020年9月現在、24の市場のデータで構成されるイプソスの「世界消費者信頼感指数」は41.8と3ヶ月連続で上昇しています。
「世界消費者信頼感指数」は、2020年5月に過去10年で最も低い水準で底を打った後、世界経済は回復し始めました。
中国の消費者信頼感指数は、2020年8月の過去最高ポイントに達したものの、その後2.0ポイント低下して70.9となりましたが、それでも中国は、新型コロナウィルス感染拡大以前より消費者信頼感指数が高い唯一の国です。
建国記念日の連休中に旅行のピークがあったことも大きく貢献し、中国はアフターコロナの時代への参入を主導してきました。

イプソスが発表した「COVID-19の愛と悲しみ-困難を共に乗り越える中国人消費者」レポートによると、消費者の62%が「合理的に消費し、将来の計画を立てる」と回答し、58%の消費者が「日常生活にもっと気を配る」と回答しまし、さらに75%の消費者が「健康への関心」を高めています。

アフターコロナ時代は「合理的な消費」「生活の本質」「健康」が人々の生活におけるキーワードとなりそうです。
アフターコロナ時代の新たなビジネス環境に直面している企業は、中国市場を育てたい、と考えていることでしょう。
それを実現するために企業は、マルチ・チャネル・アプローチを採用し、デジタルを中心としたシームレスな消費者体験を提供する必要があります。

消費者心理に基づくことで、投資家や企業は中国での製品、サービス、体験などの分野での市場拡大に成功する可能性が高いといえるでしょう。
不確実性に満ちた環境の中で、企業は消費者の安心感を保護し、社会的責任を十分に果たすことで、優れた評判を確立し、さらには消費者との関係性を構築していかなければなりません。

競争が激化する中、企業は消費者の心に深く語りかける言葉で、自社のブランドストーリーを語りかけ、差別化をしていく必要があるでしょう。

アフターコロナ時代の中国ビジネスの動向-10」に続く