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RCEPと新時代のAPACビジネス【RCEPの規定】

RCEPは、20章と17の付属書、54の公約表で構成されており、自由貿易協定で一般的に見られる項目の多くを網羅しています。

その最大の強みは、原産地規制の調和知的財産権基準の強化に向けた大きな前進にあります。
一方で、CPTPPに含まれている電子商取引に関するコミットメントが弱いことや、労働環境保護に関する条項がないことを指摘する声もあります。

共通の原産地規則:必要な証明書は1つのみ
RCEPがもたらした最も大きな変化は、地域全体で原産地規則が統一されることです。
これは、投資家が域内で取引する際に必要な原産地証明書が1つで済むことを意味しています。
これにより、各国の原産地規則の基準を満たすためのチェックや調整といった面倒なプロセスを回避することができます。RCEPが実現すれば、投資家はコストの削減柔軟性の向上、そして域内のサプライチェーンの合理化が期待できます。

商品の貿易:関税の削減
RCEPのガイドラインでは、約92%の物品関税が撤廃されます。
この撤廃は、各参加国の関税コミットメントのスケジュールに従って、今後20年間で段階的に実施されます。
これにより、参加国は相互に優先的な市場アクセスを得ることができます。ただし、一部の農産品やデリケートな商品は、関税引き下げの対象外となることに注意が必要です。
たとえば、インドネシアは最近、米、武器、アルコール飲料を関税引き下げの対象外とする計画を発表し、日本は米や小麦を含む主要な農産品の関税をそのまま維持する計画を発表しました。

商品の取引:税関手続きの簡素化
RCEPのもう一つの大きなメリットは、商品の取引における税関手続きの簡素化にあります。税関手続きの簡素化と貿易円滑化規定の強化は、手続きの効率的な運用と商品の迅速な通関を促進します。
たとえばRCEPでは、特急貨物や生鮮品は到着後6時間以内に出荷することが義務付けられています。

サービスの貿易:外国人投資家への開放
RCEPの規定では、域内のサービス分野の少なくとも65%が外国人投資家に完全に開放されます。そのためにRCEPでは、専門サービス、電気通信、金融サービス、コンピュータ・サービス、流通・物流サービスなどの指定産業における外国人持ち株比率の上限を引き上げるという参加国の取り組みの概要を示しています。
中国の「ネガティブリスト」制度と同様に、RCEPも「ネガティブリスト」戦略に基づいて運営されています。手元の市場は、リストに掲載されていない限り、外国のサービスサプライヤーや投資家に完全に開放されます。
また、域内の規制と措置の透明性を確保することで、外国企業に対して、「確実性」を提供することを可能にします。

投資要件の緩和
外国人投資家や多国籍企業は、RCEPがRCEP加盟国への参入、拡大、事業展開に必要なプロセスを緩和していることに気づくことでしょう。
RCEPはまた、各国がさらなる制限措置を採ることを制限しています。RCEPには、加盟国が行使できる投資家対国家の紛争解決手段が組み込まれています。

知的財産:基準の引き上げ
RCEPは、すべての参加国で知的財産(IP)の保護と施行の基準を引き上げることを目的としている点が評価されています。従来の意味での著作権と商標の保護権を確保することに加え、非従来的な商標(サウンドマークや幅広い工業デザインなど)やデジタル著作権も保護することが規定されています。これは、CPTPPに含まれている内容を上回るものです。

電子商取引:より優れたアクセスの同期と提供
電子商取引の成長の可能性を認識し、RCEPは、消費者保護、オンライン個人情報保護、透明性、ペーパーレス取引、電子署名の受け入れなどの分野をカバーしています。また、国境を越えたデータの流れに関する参加国のコミットメントについても言及しています。
RCEPの目的は、企業にとってより好ましいデジタル貿易環境を提供し、最終的には域内全体の市場へのアクセスを拡大することです。

政府調達:透明性の向上
RCEPに署名するにあたり、参加国は調達や入札機会に関するすべての法律、規制、手続きを公開することを約束しました。これにより、この地域で政府調達の市場機会を追求しようとする企業にとって、より高い透明性が保証されます。
またRCEPの規定では、参加国が将来的に透明性をさらに向上させることを目的とした見直しを行うことが定められています。

RCEPと新時代におけるAPACビジネス【RCEPにおける機会獲得と課題克服、企業がとるべき準備】に続く