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RCEPと新時代のAPACビジネス【マレーシアの市場:Doing Business in Malaysia-3】

マレーシアでの雇用
マレーシアの法制度の中でも、雇用契約は重要な役割を果たしています。外国企業は、マレーシアの労働法に準拠した契約書を作成し、人的資本管理のための強固な基盤を確立する必要があります。

マレーシアでの雇用に関する主な留意事項は次の通りです。

  • マレーシアの雇用については1955年の雇用法で規定されており、1ヶ月を超える雇用には雇用契約が必要となります。雇用契約には、勤務地、業務範囲、給与・賃金率、給与支払期間、労働時間・日数、年次休暇、病気・入院休暇、休日、福利厚生、安全衛生に関する事項など、雇用関係の基本的な条件を明記する必要があります。
  • 雇用者と被雇用者は、雇用契約を終了させる権利があります。雇用契約に義務的な通知期間が規定されていない場合、通常は1955年雇用法(Employment Act 1955)に規定されている期間が適用されます。
  • 雇用主は、従業員が違法行為を行った場合、正当な調査の後、予告なしに解雇することができますが、雇用法には「不正行為」について包括的に定義していません。そのため、会社の従業員ハンドブックやスタッフマニュアルに、どのようなものが軽微な違法行為で、どのようなものが重大な違法行為なのかを記載し、苦情処理プロセスとともに明確にしておくことが良いコーポレートガバナンスとなります。
  • マレーシアでは、2013年7月1日に施行された2012年最低退職年齢法に基づき、従業員の最低退職年齢は60歳となっています。不必要な雇用紛争を回避するために、すべての雇用契約書に定年を明記する必要があります。
  • マレーシアでは、1950年契約法第28条が、取引を制限するいかなる契約も無効であると規定しているため、非競争条項を施行することは困難です。しかし、マレーシアの雇用契約には、元従業員が在職中に得た情報を共有することや、過去の雇用主の事業や従業員を妨害することを禁止する条項を含めることができるため、その点について記載しておくことを推奨します。
  • 勤続年数が2年未満の従業員は、勤続年数1年につき10日分の給与を受け取る権利があります。また、勤続2年以上5年未満の従業員は、勤続1年ごとに15日分の給与を受け取る権利があります。勤続5年以上の社員は、1980年の雇用(解雇・レイオフベネフィット)規則に基づき、勤続1年につき20日分の給与を受け取ることができます。ただし、1955年雇用法の適用範囲外の従業員や、不正行為により解雇された従業員、退職者や自主退職者には、解雇・解雇手当は適用されません。

次回は、シンガポールについて解説します。

RCEPと新時代におけるAPACビジネス【シンガポールへの進出:Doing Business in Singapore-1】に続く