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ASEAN in FOCUS-3:なぜ、アセアンなのか?

社会人口統計学的な要因
アセアンの人口は過去40年間でほぼ倍増しており、1980年の3億5,520万人から、2022年1月現在では6億7,800万人を超えています。

これは、アセアンの人口が世界人口の約8.58%を占めていることを意味します。

アジアの多くの国では、労働力人口が扶養家族の数を上回るGolden population:黄金人口と呼ばれる現象が起きています。

この人口構造の変化は、教育や雇用機会の創出に関していくつかの課題をもたらすかもしれませんが、有効な戦略によって、経済成長と貧困削減に大きく貢献することが期待されます。

アセアン加盟国の人口に対する年齢構成の変化は、若者と生産年齢人口の割合が増加していることを示しています。

労働年齢人口は、2000年の53.0%対し、2019年には域内総人口の59.6%を占めています。

各国は経済を転換させる潜在力を秘めていますが、教育や スキルアップのためのトレーニング、技術的な支援、雇用の創出や社会保障の整備など、人的資本を活用するための対策を適切に講じなければなりません。

成人の識字率、初等・中等教育への正規就学率、教育支出の対GDP比などは、特定の国の教育発展の進捗を観察する上で重要な指標です。

アセアン加盟国の大部分は95%以上の識字率を実現しています。

カンボジアは82.5%、ラオスは84.7%と、まだ低水準であるものの、過去20年間で大きな進歩を遂げました。

初等教育への就学率は97%上に達しており、フィリピンは94%、カンボジアは93%です。

中等教育への就学率はシンガポール、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、タイが85%以上です。

GDPに占める教育支出の割合は、マレーシアが4.16%、ベトナムが4.06%、フィリピンが3.23%とトップ3を占めています。

次回は、アセアンにおける海外直接投資について、お伝えします。

【ASEAN in FOCUS-4:なぜアセアンなのか?】に続く